DV（ドメスティックバイオレンス）とモラハラ（モラルハラスメント）はどちらもパートナーや家族間で起こる虐待ですが、その意味や特徴には違いがあります。両者は混同されがちですが、適切に理解することで被害を早期に発見し、対処する手助けになります。今回はDVとモラハラの違いについて詳しく解説します。
まずDVとは、家庭内での身体的な暴力を指すことが一般的ですが、広義には身体的暴力に加え、精神的暴力や性的暴力、経済的支配も含まれます。身体的DVは殴る、蹴る、押すなどの明確な暴力行為を指し、被害者に肉体的な痛みや傷を負わせるのが特徴です。
一方、モラハラは主に精神的な虐待を指し、相手の人格や尊厳を傷つける言動が中心です。具体的には、暴言や侮辱、無視、過剰な批判、相手をコントロールしようとする行動が挙げられます。身体的な暴力は伴わないことが多く、見た目にはわかりにくいのが特徴です。
両者の大きな違いは、DVが身体的被害を伴うことが多いのに対し、モラハラは精神的ダメージを主に与える点です。ただし、モラハラが進行すると身体的DVに発展することもあるため、精神的虐待も決して軽視してはいけません。
また、DVは法的にも身体的暴力に対して厳しい措置が取られやすいのに対し、モラハラは精神的被害の証明が難しいため、法的対応が遅れるケースが多いのが現状です。そのため、被害者は精神的負担を抱えながらも適切な支援を受けにくいことがあります。
対処法としては、身体的DVの場合は警察や専門機関にすぐ相談し、身の安全を確保することが最優先です。モラハラの場合はカウンセリングや支援団体の利用、周囲への相談を通じて心のケアを行うことが重要です。
まとめると、DVとモラハラは虐待の形態が異なるものの、どちらも被害者に深刻なダメージを与えます。身体的暴力だけでなく、精神的虐待にも注意を払い、早めに気づいて適切な支援を受けることが被害軽減の鍵となります。自身や大切な人を守るため、違いを理解し対処法を知っておきましょう。